ボクらの時代

栗本薫が亡くなられてしまいました。
現役でグインサーガを読み続けている人間としては寂しいと言うか、巨大な喪失感に呆然です。毎巻書き貯めていたのは知っていましたし(と言うか執筆ペースに発行が追い付かない)、どうやら今年発売分は既に書き終えてはいたようですが、それでも後僅か4巻、通巻130巻でグインサーガは歴史を閉じてしまう様です。いやまあ、それだって1つの物語としては莫大な巻数ではあるんですが、これでまだまだ終わる気配が無かったと言うか、最近になってからまた予測の付かない新展開に突入していた矢先だったというのがね……。何もアニメも始まり、愛蔵版も出るというこの30周年に亡くなられなくても良いでしょうに。
あとがきから体調をかなり崩しているのは知っていたのですが、何となくグインサーガを書き終えるまでは亡くならないという楽観をしていました。何と言うか、良い意味ですが人間離れしたイメージが有るんですよね。執筆ペースとか色々と。あれだけのペースで小説を書きながら他にも色々な活動をしていたというのが、一つの事すら手に着かないボクからすると信じられない程です。それはそれとして語弊の有る言い方なのは承知ですが、物語の神がグインサーガを書く為に地上に現した人間だと信じてました。自分でも書きながら先の展開が分からないとかね、あのペースで。だから、他の人が引き継いで書くというのはボクは反対です。と言うか、誰が書いても納得できないと言うか、どんなに出来が良くても何か違うと思っちゃうんじゃないかなあ。自分で想像するしか無いのでしょう。
そう言えば、新魔界水滸伝も未完のままでした。ままと言うか、相当長い間出ていなかった気もしますけど。これもまたボクが水滸伝の話をし始めたばかりだというのに。と言っても、一〇八の魔星とか曲者が集まる所を「梁山泊」と呼ぶ程度のモチーフ的な扱いで直接の関係は殆ど無かったんですけど。どちらかと言うとボクにはあれでクトゥルー神話を知ったという方が大きいんですよね、「新」の付かない方ですけど。まあクトゥルー神の名前の幾つかは邪聖剣ネクロマンサーで見知ってはいたんですけど。はいはい青い青い。後男同士のカップルというのを初めて見たのもアレだったと思います。そんな訳で、ボクが道を踏み外した一端だったのかも知れません。栗本薫水野良田中芳樹に出逢っていなければ……とか考えられないですけどね。


何にしても、今の時代で享年が56歳というのは充分に夭折と言えると思います。作中でとある人物を評して「天才は神に愛される故に早く天に召されてしまう」と言わせていた記憶が有りますが、正に自身がそうなってしまわれた感じです。
QMAもプレイしていないですし、今日のところはご冥福を祈るだけにして、日記を終わりたいと思います。全てはヤーンの御心のままに……。